・息子の言語訓練、生活スキル、勉強に役立っている資料
・家中の壁に貼り、常に目に入るようにしている手作り教材
自閉症の息子は口頭で伝えられても分からないことでも、イラストや写真を見ると一瞬で理解できるケースが多いので、我が家では彼の生活を支援するために、写真付きスケジュール表から歯磨きポスター、トイレトレーニングの流れなどあらゆる場面で「視覚支援ポスター」を手作りしています。
今回は、その中でも学習のサポートに役立った手作り資料をご紹介します。どの教材もポスターにして家中の壁に貼り、常に息子の目に入るようにしています。
目次
自己紹介文
自分の名前や年齢、趣味などを言えるようになるために作ったポスター。
【中央から右回り】
僕の名前は〜です。
僕は〜歳です。
誕生日は〜です。
好きな食べ物は〜です。
好きな趣味は〜です。
妹がいます。名前は〜です。
どれも写真またはイラスト付きです。このポスターは息子の部屋に貼り、朝昼晩と目に入るようにしています。
また、同じ文章と画像を使って手作りフォトブックを作成し、フラッシュカードアプリにもアップロードして、勉強時間に自己紹介文を丸ごと暗記できるようにしています。
兄弟との絆
息子には妹がいますが、自閉症の特徴として妹と遊んだりコミュニケーションを取るのに苦労します。なので妹との絆を強めるべく、妹と一緒に写った写真をポスターにしました。
真ん中には「息子の名前&妹の名前」と大きく書き、一緒に出かけた時の写真や、家で同じおもちゃで遊んでいる写真を載せました。このポスターは玄関先に貼り、毎朝皆で靴を履くときに一緒に眺め、指差しながら「これ楽しかったね〜」と話すようにしています。
この場合、妹の方が先に積極的に興味を持ち、それにつられて息子も会話に参加するようになりました。
家族構造
妹を始め、他の家族構造や「友達」「先生」という言葉を覚えてほしかったので、それもポスターにしました。
「お兄さん」は息子本人の写真、「妹」は妹の写真、友達や先生も実際の友達や先生の写真というように、なるべく息子の周りに実在する人の写真を載せました。
また、息子が好きな絵本やアニメに登場するキャラクター(例えば、『となりのトトロ』のサツキちゃんは「お姉さん」、メイちゃんは「妹」)の画像もネットで探して利用しました。
また、おじいちゃんおばあちゃん、叔父叔母、従兄弟のことも学んで欲しかったので、ちょうどあった1−100までの数字表を使って、全員の年齢を教えました。
それぞれの顔写真を小さく印刷して、何度も剥がせる粘着剤を使って年齢に当たる数字の下に貼りました。そして誰かの誕生日が来たら、「今日おばあちゃんは〜歳になったね」と言いながら一緒に顔写真を一つ上の数字に動かします。
家族構造、家族の名前に加え、「誕生日、年を取る」という概念を見て理解できるのでオススメです。
思い出の言語化
息子がとても楽しそうにしていた旅行やイベントの後は、その気持ちを利用して言葉の勉強ができないかなという思いから「思い出ポスター」を作っています。
写真に文章を添え、玄関先などよく目に入る場所に貼り、「これ楽しかったね」と話すようにしています。
これは学校行事の写真。息子は障害があるため、なかなか思うように学校行事に参加できないのですが、この時は思いっきり楽しんでいる様子でした。写真を使って簡単なポスターを作り、息子の部屋に貼ると、数ヶ月経っても眺めては文章を読み上げて幸せそうにしていました。
歌詞で言葉の学習
息子は歌が大好きなので、字が読めるようになってからは(または、字を読めるようになる勉強用に)歌詞を書いたポスターを家中に貼っています。
テレビや動画で覚えた歌の場合は、その動画のスクショも載せて、一目で「あの歌だ」と分かり読みたくなるように仕向けています。
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