・息子のトイレトレーニングを成功させるまでの経緯を紹介
・ご褒美の使い方や視覚的支援のコツ
息子は自閉症と共に言語発達障害を併せ持っているので、最初は言葉の発達が進むまでトイレトレーニングに踏み出せずにいました。でもそれだとなかなか始められないということで、勢いで3歳3ヶ月で昼間のオムツを外し、トイトレを始めました。
今回は、我が家のトイトレの経緯と、その2年の間に掴んだコツをご紹介します。
目次
オマルでの成功体験
息子は、トイレに行く理由などを言葉で説明しても理解できなかったので、とにかく成功体験を重ね、その都度ご褒美を与える方法を使いました。
その際に心がけた点は3つあります。
落ち着いて座れる環境を作る
とにかく成功体験をさせることにこだわったので、10分でも20分でもおしっこかウンチが出るまで座っていられる環境を作りました。息子の場合、それはテレビを見ている時や本を読み聞かせている時。出そうなタイミングを見計らって「テレビ見よう」「本読もう」と誘いました。
長時間遊べるほどハマっているおもちゃがあれば、それをちょうどいい高さの台の上に置いて、オマルを椅子代わりにして座らせるのもいいかと思います。
やがて息子が成功体験を何度か重ね、自発的にトイレに行くように教える段階に入った時も、しばらくオマルをリビングの隅に置いておきました。それによりオマルが常に息子の視界にあり、遊んでいる最中やテレビを見ている最中でも中断せずにオマルに座れました。
ご褒美はすぐ与える
行動の切り替えは苦手→好きの順の記事にも書いたように、息子は自閉症の特徴として、2つの活動の間に少しでも間が空くと、その2つの活動の関連性が理解できない傾向があります。なので、トイレに成功したら1秒もあけずに真っ先にご褒美のおもちゃを渡しました。そして言葉でも、「おしっこできたね、だからこのおもちゃで遊べるね」とその2つの出来事の関連性を主張しました。
そのおもちゃは数分遊んだらすぐ片付けることをお勧めします。あるいは、見えるけど届かないところに保管し、お子さんが欲しがったら「次オマルでおしっこできたらあげるね」と、教えるのもいいかもしれません。
オマルの中身の写真を壁に貼る
写真入りスケジュール表の記事でも書いたように、息子はイラストや絵カードよりも実物の写真を見た方が理解しやすい傾向があります。なので、思い切っておしっこやウンチが入っているオマルの写真を撮りました。
そしてオマルを設置した近くの壁に「息子がオマルに座っている写真」「オマルの中身の写真」「息子がご褒美のおもちゃで遊んでいる写真」を左から右に並べて貼りました。そしてトイレに行きたそうな仕草をしていたり、またはオマルに座るのを嫌がった時にはその写真を指差し、「オマルに座っておしっこ(ウンチ)ができたらおもちゃで遊べるんだよ」と事の流れを強調しました。
トイレに行きたいと言わせる
やがて「おしっこやウンチはトイレにしないといけない」ということが理解できた様子だったので、オマルを卒業して今度はトイレに座る練習を始めました。また、トイレに行きたいという気持ちを人に伝える訓練も開始しました。
トイレを座りやすくする
自閉症の特徴として、息子は体幹やバランス感覚が弱いので、トイレを座りやすくするのにこだわりました。子供用の便座を健常児より長めに使用し、トイレに腰をかける時に楽なように足の下に台を置きました。
さらにはトイレが楽しい環境になるように、好きな映画のポスター(ネットで見つけた画像を家で印刷したもの)や、その時ハマっているものの写真を貼り、頻繁に模様替えをしました。
ご褒美をレベルアップ
オマル時代に与えていたおもちゃもこの頃には魅力が薄れてしまい、かつ通い始めた保育所に持って行けるものでなければいかなかったので、このタイミングでご褒美をレベルアップ。
息子が大好きなチョコチップ入りのクッキーを1口サイズに割り、その1つ1つを小さなタッパーウェアに入れました。そしてトイレに行けたらそのクッキーをもらえることを、以前と同じく写真で教え、トイレに行きたそうな仕草をしたら何度も「おしっこ?ウンチ?」と聞き、自分で「おしっこ」または「ウンチ」と言うように促しました。
少しでも言葉にできたら◎。即トイレに連れて行き、無事用が足せたら、オマルの時と同じく(手を洗った後)真っ先にクッキーが入ったタッパーウェアを渡しました。(タッパーウェアを自分で開けることで指先の訓練にもなります!)
保育所・学校の先生に協力を依頼
1口サイズのクッキーが入ったタッパーウェアを2、3個息子の鞄に入れ、保育所(のち学校)の先生にも協力をお願いしました。トイレに行きたいことを何らかの形で伝えられ、無事トイレに行けたらすぐこのご褒美を与えてください、とお願いし、あとは毎日ハラハラドキドキの連続でした。
やはりしばらくは、先生が先に気付きトイレに連れて行ってくれるか、息子が何も言えずにお漏らししてしまうか、どちらかが殆どでした。絶望感に襲われる日もたくさんありました。
長期戦に入ってもめげずに
それでも家ではもう少し成功率が高く、ほんのたまにトイレの中に排泄物を発見し、「え?1人で行ったの?!」と驚いた時もありました。
難しいのは、トイレに行くという行為を「条件が揃えば」ではなく「必ず」「当たり前」に変えること。この点については恐縮ながら特にお勧めできるコツはなく、ただひたすら何度も教え聞かせ、成功と失敗を繰り返しながら、息子の自覚と成長を待つのみでした。
「退行」の経験
トイトレ開始から半年、海外旅行中にウンチをお漏らししてしまう事件があり、その直後にちょっとした緊急事態でしばらく空港のホテルに泊まらないといけないことがありました。
目に見える大きな異変はなかったものの、息子なりにストレスを感じていたようで、それ以来帰宅後もウンチを隠れてパンツにするようになってしまいました。
久しぶりのお漏らしで、ウンチをパンツにする便利さ(?)を思い出してしまったのか、トイレが怖くなってしまったのか、理由はわかりません。
ご褒美を強化したり、叱ったり、あらゆる手を使ってトイレに座るように促したのですが、その状態は数ヶ月続きました。この時も結局は息子自身が再び自覚・成長してくれるまで待つ形になりました。
トイレを嫌がる現状
オムツを外してから3年、お漏らしの心配がなくなった今でも、息子は基本的にトイレを嫌がります。幸いウンチの時は、学校では「ウンチ」と先生に伝え、家では自発的にトイレに行ってくれるのですが、比較的我慢ができるおしっこは、とにかくギリギリまで我慢し、「トイレに行きなさい」と言っても嫌がります。
なので、外出前などには無理やり連れて行きます。
この状況から抜け出したいのですが、まだいい方法は見つかっていません。でもとりあえずお漏らしの心配がなくなっただけでもよしとしよう、考えています。
モンキーのメモ
✏️「トイレに成功」→「ご褒美」の流れを目で見て理解できるようにイラストや写真で伝える。
✏️成功体験を重ね、ご褒美は成功したその瞬間にすぐ与える。
✏️退行してもめげずに、長い目で。
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