言語障害児の言葉を引き出す方法

言語訓練〜家で言葉を教える方法【まとめ】

・言葉の遅れがある子の発語におすすめのコツを紹介
・自閉症・言語発達障害の息子とのコミュニケーションに行っていること

自閉症・言語発達障害の息子は発語がない時期が長く、言葉が出るようになってからも、文章を繋げたり、質問に返事をしたり、会話を成立したりするのにとても苦労します。

そんなこの数年間にわたり、言語療法士さんから教わった言葉を引き出す方法を、この記事ではまとめてご紹介します。

大人の体感より長く待つ

我々大人は、会話が少しでも途切れると気まずくなってつい喋ってしまいがち。しかし言語療法士さん曰く、子供は大人が思う「沈黙」を長いと感じないそうです。

自分が言いたいことを考え、言葉に変換し、それを声に出して口を正確に動かす・・・そのプロセスには時間がかかります。

発語に苦労する子供なら尚更、大人の体感より数秒長く待ってあげるのが大事だそうです。

急かしたり答えを教えたり、諦めたくなってもそこは堪えて、あと2秒、5秒、10秒待ってみる

せっかちな私にとっては難しいことですが、待った結果、息子が何かしら言葉を発してくれることはよくあります。

また、言語訓練の際に復唱を促す時も、大人は急ぎがちで、子供に言葉を発する充分なチャンスを与えていない場合があります。

目を合わせる

息子の返事を待っている時や、息子が何か伝えたそうなそぶりを見せていたら、まずしゃがんで目線を合わせ、自分の顔を息子の視野に入れます。

それでも目を合わせてくれない時は、両腕にそっと触れてこちらを向くように促し、「ママの目を見て」又は「ママの鼻を見て」と勧めます。しっかり目が合わなかったとしても、こちらに顔を向けるだけで気持ちを集中させるのに効果的です。

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目合わせの訓練・練習方法

選択肢を提示する

目を合わせてお子さんの気持ちを集中させてもなかなか言葉が出ない場合は、質問を自由回答式ではなく具体的な選択肢を2つ提示するものに変えてみてください。

例えば、「お腹すいた?何食べたい?」の代わりに「おせんべい?クッキー?」と聞き直します。右手がおせんべい、左手がクッキーとして、順番に手のひらを返して見せる、といった形で、言葉に合わせてジェスチャーをつけてあげると誘導しやすいです。

わざと間違える

上の方法に、わざと間違った回答を混ぜると、興味を引ける可能性が上がります。

例えば、「クッキー?にんじん?」と聞くと、にんじんは絶対欲しくないので「おせんべい」が欲しいと言葉か動作で教えてくれるかもしれません。

更には、「にんじんが欲しいのね」と言い、にんじんを目の前に置いてクッキーを引っ込めてしまうと、お子さんは「違う!訂正したい!」という気持ちから反応をしてくれるかもしれません。

そのモチベーションを利用して、「クッキーちょうだい、と言ってごらん」と促しています。この時、「ク・・・」だけでも言えたら、褒めてあげてください!

手拍子でヒントを与える

上の状況で、明らかに「クッキー」と言いたそうな顔をしているけれど、どうしても言葉が出てこない場合。

正解を声には出さず「クッキー」と言っている口の形だけゆっくり見せながら、「クッ」で1回「キー」で1回手を叩いてみてください。

息子は言葉をメロディーとして聞き取っている傾向があるので、こうして手拍子をしてあげると、そのリズムに乗って言葉を発しやすくなります。

「言葉がはっきりしない」とお悩みの方におすすめの療育方法

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手拍子をしながら発音の練習

「ダメ!」と言わせる

それでも言葉が出ない場合は、優しくちょっかいを出すことをお勧めします。

例えば、欲しがっているクッキーを1口食べるふりをする、欲しがっている絵本を手にとって自分で読み始める、などです。

すると、息子の場合、怒って「ノー!」と言う言葉の「n」の音を声に出してくれました。(息子の第一言語は英語なので、会話は基本英語で行っています。)おそらく息子にとって、「ダメ!」という気持ちは日常の中で最も頻繁に伝えたいことのだと思います。

他人との遊びを支援する療育法

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言葉を引き出す遊び方

指差しを促す

上の方法を全部試してみても、「今回は言葉が出ないね、お互い無理するのやめようね」となった場合。気持ちを切り替えて、代わりに指差しをするように勧めてみてください。

もう一度「おせんべい?クッキー?」と聞きながら、お子さんの側にしゃがみ、利き手を優しく持ち上げて指を指すように誘導してあげます。

この時、おせんべいとクッキーが明らかに違う場所にあって、お子さんの位置から見えるけど届かない高さにあると最適です。

「指を差さない」とお悩みの方におすすめの練習法

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指差しの訓練・練習方法

テンポの速いおもちゃを使う

息子が早期療育を始めた時、言語療法士さんがまず使っていたのがボールを転がすおもちゃ

決してこのおもちゃでなくてもいいのですが、重要なのは、テンポが速く、簡単で、1分で何度も繰り返して遊べるようなもの。

言語療法士さんはこのおもちゃを使って、息子に「ストップ!」や「ゴー!」という言葉を何度も言わせていました。

YouTubeの学習動画を使う

発達障害の子に限らず、動画に子守をさせるのはいけないと言われています。確かにそうなのですが、親なら誰でも家事をしている時間や外出先での待ち時間など、どうしてもスマホやタブレットに頼る時が必ずあります。

それならせめて言葉を覚えさせよう!ということで、YouTubeにある学習動画のプレイリストを作成し、テレビの時間に流しました。

すると、「目で見て理解する」「言葉がメロディーのように聞こえる」傾向がある息子は、動画に出てくる文字や音声に釘付けになり、登場する単語をすぐ覚えてくれました。そして、動画を見た後も、延々と声に出して復唱していました。

YouTubeにある学習動画は無料で観やすく、簡単にプレイリストを作れます。また、学習動画以外の動画を混ぜて、他に習得して欲しいスキルを教えることもできます。

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