・息子の言語指導の際に最も注意していること
・ちょっとした工夫で効果がある発語訓練のコツ
自閉症・言語障害の息子は2歳の時に言葉の遅れを指摘され、3歳で早期療育を始めてから現在まで、最も気にかけているのが発語です。
言語療法を受け始め、家庭でも発語訓練を始めて間もない頃、セラピストの先生の接し方を観察していて、夫と私が間違ったことをしていることにハッと気づいたことがありました。
今回は、そんな我が家の発見をお伝えします。それはとても簡単なミスで、その後ちょっとした工夫で息子の発語に進歩が見られたので、よろしければ試してみてください。
復唱を促す時の失敗
例えば、「何食べたい?」とお子さんに問いかけ、「ドーナッツ食べたい」と返して欲しい時。「ドーナッツ食べたい、って言ってごらん」と言い、お子さんが復唱してくれた!合格!と思いきや、実際の会話はこういう展開に・・・
大人「何食べたい?」
子供「・・・・」
大人「ドーナッツ食べたいって言ってごらん」
子供「・・・・」
大人「ド・・・」
子供「・・・・」
大人「ドーナッ・・」
子供「・・・・」
大人「ドーナッツ食べたい」
子供(大人の言葉に被せ)「・・ツ食べたい」
大人「よくできたね!」
大人からすると、「ドーナッツ食べたい」の文を全部言ったように聞こえた気分になるのですが、実は文の最後の一部しか言えてないことが多いのです。
しかもそれは必ずしも「一部しか言えないから」ではなく、「最初から言うチャンスを充分に与えられなかったから」です。
子供が自分の言葉に被せてくるから聞きとりづらいのと、早く合格にしてあげたいという気持ちから、大人は急いでしまう傾向があります。
正しい復唱の指導法
なので、訓練を終える前にあともう1ステップを入れることをお勧めします。
大人「ド・・・」
子供「・・・・」
大人「ドーナッ・・」
子供「・・・・」
大人「ドーナッツ食べたい」
子供(大人の言葉に被せるように)「・・ツ食べたい」
大人(お互い落ち着いてからもう一度丁寧に)「ドーナッツ食べたい」
子供(また大人の言葉に被せ)「・・ツ食べたい」
大人(最初の音を強調して)「ド・・ド・・・」
子供「ドーナッツ食べたい」
大人「よくできたね!」
この一手間を加えるだけで、効果があります!
子供は、ちょっと焦るように大人の言葉に被せて一部を復唱した後、気持ちを落ち着かせて、文を最初から最後までしっかり復唱するチャンスを与えられ、もう一度挑戦できます。
大人も、子供が本当はどのくらい言えるのか、子供のポテンシャルをしっかり確認することができます。
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