・おすすめのカテゴリ分けゲームでこだわりを改善
・息子の療育に活躍した学習教材を無料ダウンロード・印刷
自閉症・発達障害の息子の早期療育の一環として、こだわりを崩す訓練がありました。
今回は、その訓練の方法と我が家が家庭療育で使っていた学習教材をご紹介します。教材の一部は無料ダウンロード・印刷できるので、ぜひお試しください。
目次
【解説】自閉症児の固定観念
療法士の方々によると、自閉症の子供は人や物を頭の中でカテゴリ分けする時に、一つのカテゴリにしか当てはまらないと思い込んでしまいがちだそうです。
例えば、ぬいぐるみを並べて遊ぶ時。健常児の場合、ある時は人形と動物と分けてみたり、ある時は大きさで分けてみたり、ある時は色で分けてみたり、またある時は好きな順に並べてみたりと、毎回フレキシブルに考えて様々なグループに分けて遊ぶことができます。
また、特定のぬいぐるみで遊ぶ時にも、ある時はぬいぐるみを友達に仕立てて一緒にブランコに乗ってみたり、ある時はぬいぐるみを「赤ちゃん」にしてミルクをあげてみたり、ある時はボール投げの標的にしてしまったりと、一つのものに様々な役割を割り当てることができます。
人に対しても「ママは自分のママであり、妹のママであり、バイト先では店員さんであり、おばあちゃんの家では娘である」と、ママが状況によって違った役割を果たしていることが理解できます。
それに比べて自閉症の子供は、「AはBだ」という固定観念を持ちやすく、その強いこだわりを崩すのに苦労することがあるそうです。
改善して不安解消
このこだわりを改善する手助けをしてあげると、生活の様々な場面でお子さんの不安やフラストレーションを解消してあげられるかなと思います。
例えば、「電車に乗るよ」と言われると、お子さんの頭に浮かぶのは「電車=緑の車両で普段乗り慣れているルートを走るもの」かもしれません。でもこだわりを崩す訓練ができていると、違う街で違う色の電車に乗った時に「電車と言っても色々なのがあるんだ」と理解できます。
あるいは、いつもジュースを飲む時に使っているコップと違うものを渡された場合、「これもコップなんだ、パニックにならなくても大丈夫」と思えます。また「コップは飲むのにも使うけど、うがいにも使うものだ」と分かっていれば、普段飲む用に使っているコップと似たコップを、泊り先でうがい用にと渡されても「ここではうがいに使うんだな」と理解できます。
このように、人や物は複数のカテゴリに当てはまり、複数の役割を果たし、同じ呼び方でも違うものを指していることがある、ということをこの訓練を通して学ぶことができます。すると生活の中で出会う人、物、状況にフレキシブルに対応でき、自分が想像していたものと違うものに出くわしても、パニックにならずに済みます。
おすすめ教材①絵カード
※我が家で使っている絵カード【無料ダウンロード・印刷】をこの記事の終わりに載せたので、ぜひお試しください。スキャンしたものなので、画質がイマイチな場合はお許しください!
教材の作り方
①おもちゃなどを表したイラストを色違いでいくつか、そして大小と大きさを分けて印刷し、切ってカードを作る。
②この時、同じ形のもの(丸いボール、丸いボタンなど)も混ぜる。
遊び方
①カードをごちゃ混ぜにしてから、床やテーブルの上に絵がハッキリ見えるように並べる。お子さんが選んだカードを入れる箱などを用意する。
②種類で分ける練習。
【例】「くまさんを集めて、この箱に入れてごらん」と言って、くまさんを全部(大小、全色)を選ぶように促す。できたら、全カードを元に戻す。
②色で分ける練習。
【例】「黄色いものを、この箱に入れてごらん」と言って、黄色いもの(くまさん、クルマの大小両方)を選ぶように促す。できたら、全カードを元に戻す。
③大きさで分ける練習。
【例】「大きいものを、この箱に入れてごらん」と言って、大きいもの(くまさん、クルマ、ボタン、ボール大きいもの全て)を選ぶように促す。できたら、全カードを元に戻す。
④形で分ける練習。
【例】「丸いものを、この箱に入れてごらん」と言って、丸いもの(ボールとボタン、全色、大小両方)を選ぶように促す。できたら、全カードを元に戻す。
⑤役割で分ける練習。
【例】「〜くんが遊ぶ時に使うもの(おもちゃ)を、この箱に入れてごらん」と言って、くまさんとボール全種類を選ぶように促す。できたら、全カードを元に戻す。
⑥カテゴリの条件を増やす。
【例】「丸くて大きいもの」「青くて小さいもの」
ここがポイント!
どのカードも複数のカテゴリに当てはまる、ということを教えるのが目的です。
お子さんが今ハマっているキャラクターやおもちゃの絵をネットで探し、サイズや色を調整して、カスタマイズしたカードを作ってあげるとモチベーション向上につながるかもしれません。
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