・「要求の指差し」「応答の指差し」の練習方法を紹介
・おもちゃ、おやつ、テレビのリモコンなどお子さんが毎日欲しがるものを使う
自閉症の早期発見につながった当時の息子の特徴として、言葉の遅れと並んで注目されたのが「指差ししない」ことでした。4年経った今でも指差しの練習は毎日続けています。
その中で特に注意しているのが、いかに指差しの練習を日頃のルーティンに取り入れられるか、いかに息子のモチベーションを高められるか、という2点です。
今回はその2点を抑えつつ、我が家の指差しの練習法をご紹介します。
目次
要求の指差し
おもちゃを届かないところに置く
お子さんが欲しがるものを背伸びしないと取れない場所に置いてバランス感覚を鍛える方法を以前ご紹介しましたが、指差しの練習には更に高い、お子さんの手が届かない位置に置きます。
頻繁に欲しがるものを使う
お気に入りのおもちゃやおやつ、テレビのリモコンなど、1日に1回は欲しがるものを選びます。要求してくる回数が多いほどたくさん練習ができ、自然と日頃のルーティンになっていきます。
よく見える場所を選ぶ
お子さんの手は届かないけれど、はっきり見える場所(棚の上など)がおすすめです。
一緒に練習する
まずは、一緒に練習します。
お子さんがそのおもちゃを欲しがったら、「あれ?どこにいったかしら?」と言いながら一緒に探し、「あった!あそこだ!」と大げさに指をさしてお子さんにも気付かせます。
分からないふりをする
一緒の練習を何度か繰り返し、お子さんがおもちゃの場所を覚えたことを確認したら、次回からは分からないふりをして、お子さん1人で指差しをするように促します。
この時お子さんが少しためらっていても、ヒントを出す前に大人の体感より長めに待つことをお勧めします。
指を誘導する
それでもお子さんが1人で指差しできない場合は、「あった!あそこだ!」と言いながら指をさし、「指さしてごらん」と促します。
同時に、しゃがんでお子さんの目線まで顔を下ろします。
そして、お子さんの効き手を両手で支えながら人差し指を優しく誘導し、「あそこだ!」と再度言います。
すぐ渡してあげる
お子さんが少しでも指差しをするそぶり見せてくれたら、練習終了。すぐにおもちゃをおろして渡し、たくさん褒めてあげください!
この練習を息子と何度も何度も繰り返しているうちに、ある日自分から指差ししてくれました。
とはいえ、今でもスムーズに指差しができない時もあります。そんな時は「指さして」と促しお手本を見せるなどして、指をさしてくれるまで欲しがっているものを渡さないように心がけています。
応答の指差し
好きな絵本を使う
息子は絵本の読み聞かせが好きなので、応答の指差しの練習は本を読む時間に取り入れました。
背景が細かく描かれている本を選ぶ
療育に役立つ絵本の記事でご紹介した『こえだのとうさん』や『カタツムリと鯨』ように、登場人物だけでなく背景も細かく描かれている作品がおすすめです。各ページに描写されているものが多ければ多いほど、毎回違う問いかけができるからです。
答えを1つに絞れる質問をする
大好きな本を一緒に読んでいる時、息子はページを次へ次へとめくりたがります。そこを一旦止め、次のページに進む前に、たった今読み終わったページに描いてあるものについて質問してみます。
「赤いシャツを着ている男の子はどこ?」「木に止まっている鳥さんはどこ?」「泣いている赤ちゃんはどこ?」なと、答えを1つに絞れる質問をします。そして「指差してごらん」と促します。
指を優しく誘導する
この時、お子さんが指差しに苦労していたら、「あ!ここだ!」と指差してお手本を見せ、お子さんの効き手の人差し指を優しく誘導してあげてみてください。
変化をつける
お子さんがこの練習法に慣れてくるまで、その絵本を読む度に毎回同じ質問することをお勧めします。この練習で重要なのは、「正解」を考えることではなく指差しをすることなので、お子さんが質疑応答を丸ごと覚えてしまっても問題ありません。
徐々に慣れてきたら、今度は質問の内容を変えたり、質問の数を増やしたりして変化をつけてみてください。そしてお子さんが少しでも指を差す努力をしてくれたらたくさん褒めてあげてください!
日常用品を使ってもOK
お子さんが絵本の読み聞かせが苦手な場合は、代わりにこんな練習法も:
①アニメや映画を観ている時、オープニングテーマやお気に入りのシーンで一時停止して画面に映っているものについて質問してみる。
②塗り絵を始める前に、その絵に描いてあるものについて質問をしてみる。
③日常用品を使う。
【例1】ジュースを飲む時に、コップに描いてあるキャラクターについて質問。
【例2】靴下の柄について質問。
【例3】車に乗る時、どこがお子さんの座る席か聞く。
ここがポイント
お子さんがなかなか指差しできない時は、選択肢を2つ提示して、どちらかを選べばいいという状況を作ってあげてください。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【「要求の指差し」の場合】
2つの棚を指差して「おもちゃはあそこ?それともあそこ?」と聞いてあげると、お子さんはそのうちの1つを指差して、今聞いたばかりの「あそこ」という言葉を言えばいいだけなので、それだけ楽になります。
【「応答の指差し」の場合】
絵本のページを見ながら2箇所選び、「とりさんはこっち?それともこっち?」と指差しながら、ヒントを与えてあげてください。
モンキーのメモ
✏️指差しに成功したら好きなものが手に入るという流れにする。
✏️少しでも努力してくれたらすぐにその好きなものを与え、次回のモチベーションに繋げる。