・言葉が遅い子供の療育に役立つ作品を紹介
・絵本の読み聞かせで言葉の発達を促す海外の人気作品(翻訳版あり)
自閉症・言語発達障害の息子は、まだ言葉を何も話せない頃から絵本の読み聞かせが大好きで、今も新しく覚える言葉の多くは絵本から学んでいます。
今回は言葉が遅い子におすすめの、翻訳版がある英語絵本を10冊紹介します。どれも心温まるストーリー、個性的なイラスト、そしてクセになるリズム感で世界中の子どもを魅了している人気作品です。
目次
『グラファロー もりでいちばんつよいのは?』
難易度:★★☆
学べる言葉:体の部位、動物、食べ物、「〜が聞こえる」
ネズミが森の中を歩いているとキツネ、ヘビ、フクロウに出会います。食べられないようにとネズミは知恵を絞り、グラファロという架空の怪獣の話をして無事逃げ切るのですが、そのグラファロが実は本当に存在していて・・・。
イギリス人作家ジュリア・ドナルドソンの文章は表現豊かで教えたい単語がたくさん、ちょっぴり怖いけど愉快なお話をテンポ良く進めてくれます。
ドナルドソン作品のもう一つの大きな魅力はイラストレーターのアクセル・シェフラーが描く世界。登場人物だけでなく背景も細かく描かれているので、「これは何?」「この人何してる?」と会話のネタが尽きないことから、息子の言語療法士さんも絶賛しています。
この点で特にオススメのドナルドソン作品は、主人公が壮大な冒険に繰り出し、ページをめくるたびに違う風景が広がる『こえだのとうさん』と『カタツムリと鯨』です。
『くまさんくまさんなにみてるの?』
難易度:★☆☆
学べる言葉:色、動物、「〜を見ている」
誰もが知っている『はらぺこあおむし』を書いたアメリカ人作家エリック・カール。彼は他にもたくさんの素敵な作品を残していますが、中でも療育に役立つのが『くまさんくまさんなにみてるの?』です。
カラフルな動物たちが見開きいっぱいに描かれているので、大胆な絵が好きなお子さんにピッタリです。文章もシンプルで問いかけを繰り返す形式なので、発話練習になります。
カール作品は他にもどれもおすすめです。特に『しろくまくんなにがきこえる?』では「〜を聞く」を、『ごちゃまぜカメレオン』では「〜のように〜なりたい」という表現を学習できるので療育に役立ちます。
『スノーマン』
難易度:★★☆
学べる言葉:家の中にあるもの、「食べる」「遊ぶ」「飛ぶ」などの動詞
イギリスの名作『スノーマン』は、一切文字を使わないコマ割りの絵本。それだけに挿絵を眺めながら自由に台詞やナレーションをつけられるので、お子さんの療育に合わせやすい一冊です。友情の美しさや別れの切なさなど、感情のニュアンスも学べます。
イギリスでは毎年クリスマスにこの絵本を映像化した短編作品がテレビで放送されるのですが、YouTubeで「The Snowman (1982) 」と検索すると見れます。原作とストーリーが若干異なりますが、幻想的な音楽に心打たれること間違いなしです。
『コロちゃんはどこ?』
難易度:★☆☆
学べる言葉:家具、動物、「上」「下」「中」などの位置表現
可愛い子犬コロちゃんを描いた大人気の絵本シリーズ。その第一作目『コロちゃんはどこ?』には「ドアのうしろかな?」「ピアノの中かな?」といった言葉が大きく記され、手でめくって中を覗ける仕掛けになっています。
コロちゃんの代わりに出てくる様々な動物たちの名前も覚えられる嬉しい一冊です。
『きょうはみんなでクマがりだ』
難易度:★★☆
学べる言葉:擬音語、顔のパーツ、自然に関する言葉
クマを探しに冒険に出る兄弟が川超え、森抜け、吹雪に飛ばされ、最後に出会うのは・・・。
この絵本の特徴は、フォークソングを元に書かれていること。文章が歌のようにリズミカルで覚えやすく、楽しい擬音語がたくさん出てきます。イラストもモノクロと水彩絵の2種類が使い分けられていて、そのドラマチックな世界にどんどん引き込まれていきます。
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