・自閉症や言葉の遅れがある子のための絵本選びや読み聞かせのコツを紹介
・子どもの特徴や興味に合わせて言葉の発達を促す方法
自閉症・言語発達障害の息子が最初に発した言葉の多くは絵本で学んだものでした。絵本の読み聞かせが大好きで同じ本を何百回と聞いているうちに、おそらく体の一部になって自発的に言えるようになったのだと思います。
今回は、絵本の読み聞かせを通して息子の言葉を引き出した方法をご紹介します。
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目次
【準備】絵本の選び方
息子を始め言語発達障害のある子の多くは絵本に出てくる言葉のリズムにはまり、言葉がメロディーのように聞こえているような気がします。なので、読み聞かせに選ぶ本はクセになるようなリズムの文章のものをお勧めします。
言葉が遅い子におすすめの絵本10選の記事でご紹介した作品の中で言うと、以下の例が挙げられます。
問いかけ&返事
『くまさんくまさんなにみてるの?』や『コロちゃんはどこ?』のように、簡単な問いかけと返事がリズミカルに繰り返されている絵本。
擬音語
フォークソングの歌詞をもとに書かれた『きょうはみんなでクマがりだ』のように、メロディーのような文章で、楽しい擬音語が詰まっている絵本。
ドラマチックな展開
ネズミが森の中で怪獣に出会う『グラファローもりでいちばんつよいのは?』のように、ストーリーがドラマチックで感情表現が豊かな絵本。
歌詞のような文章
歌詞・楽譜付の参加型絵本『ねこのピート だいすきなしろいくつ』や、フォークソングから生まれた『きょうはみんなでクマがりだ』のように、歌が元になっている絵本。
わざとためらう
大好きな本の読み聞かせを何度も繰り返し、息子が文章を暗記してきたところで、ある日読んでいる途中で突然止まってためらいました。すると息子は続きを読んで欲しくてムズムズし、それでもなかなか私が読み続けないので自分から次の言葉を発してくれました。
最初挑戦する時は、発音しやすい簡単な言葉、楽しい擬音語、主人公の名前、クライマックスのシーンなどでためらってみるといいと思います。
お子さんができるようになってきたら、今度は違う箇所、意外な箇所で突然止まり、お子さんが驚いた反動で次の言葉を言う、といった展開を作ってあげると成功しやすいです。
お子さんの発語を待つ時は、言葉を引き出す方法【5つの対策】の記事でも書いたように、大人の体感より長く待つことをお勧めします。
わざと読み間違える
大好きな本の読み聞かせを何度も繰り返し、息子が文章を暗記してきたところで、ある日突然文章の一部を間違えてみました。すると息子は驚き、憤慨して正しい言葉を声に出して私を訂正してくれました。
上と同様、最初挑戦する時は発音しやすい簡単な言葉、楽しい擬音語、主人公の名前、クライマックスのシーンなどでわざと間違えてみるといいと思います。
「わざと間違える」という支援方法は、指差しの訓練・練習方法や遊びを広げる方法の記事でも書いたように、家庭療育のあらゆる場面で効果的なテクニックです。
手拍子をする
息子の療育は基本英語で行っているため、絵本の読み聞かせも英語の作品が多かったのですが、実は最初にはっきり言えるようになった言葉は名作『いいおかお』(松谷みよ子)のクライマックスシーンに登場する「ぞうさん」という日本語の単語でした。一音一音はっきり発音するという日本語の特徴が、おそらく当時の息子にとって一番聞き取りやすく発しやすかったのだと思います。
言語障害の子と発音練習の記事に書いたように、まず私が「ぞう・さん」と読み上げながら「ぞう」で1回、「さん」で1回手を叩きました。息子はそれを気に入って、しばらくすると「ぞう・さん、ぞう・さん」と手を叩きながら家の中を歩き回っていました。
モンキーのメモ
✏️お子さんが大好きな絵本の文章を暗記したところで、わざとためらったり、わざと間違えたりして続きの言葉を声に出して言うように促す。
✏️単語の発音を強調するために手拍子をしながら読み上げる。
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