・自閉症の息子の自立を支援するイラストやスケジュール表
・着替えや歯磨きができるようになるおすすめのコツ
自閉症の息子は指示を言葉で聞くより、目で見て分かるように提示された方が理解しやすい傾向があります。
今回は、日常生活の中で息子が自立できて、親が同じ指示を何度も繰り返さずに済み、結果家族全員が穏やかに暮らせるように工夫していることを5つご紹介します。
目次
【歯磨き】手順は色入りイラストで
歯磨きする時、何度も「前歯を磨いて」と教えても、息子はどうしても理解してくれませんでした。そこで作ったのがこのイラスト。
開いた口のイラストをネット検索で見つけ、歯磨きの手順を①−⑥に分け、それぞれに色をつけました。そして同じ色で歯の色も塗り分けました。
※息子は英語で療育を受けているので、英語の指示が入っています。日本語は「した」「まえ」と簡単な言葉しか知らないので、日本語の指示が少しおかしいのですがお許しください!
このイラストを洗面所の鏡に貼り、手順を読み上げながら歯を磨くように促すと、息子は今までの苦労が嘘だったかのように、すぐ前歯を磨くことを理解してくれました。
自分の歯を磨きながら、もう片手でイラストの歯を指でこするのが好きなようです。そうすることで、自分がやっていることと、イラストに書かれた指示が合っていることを確かめているのではないかと思います。
【予定表】今日の日付に◯を書く
我が家では食卓の壁に手作り週間スケジュール表を貼っているのですが、その下に月予定表のホワイトボードも置いています。
※息子は英語で療育を受けているので、日付は英語で書いています。オーストラリア滞在中なので2月=Summer(夏)になっています(笑)。
朝ご飯を食べ終わった後、息子はその日の日付に◯を書き、読み上げるのが日課になっています(例:今日は2022年2月7日月曜日、夏)。次に壁の習慣予定表を見て、読み上げた曜日の下に何が書いてあるかを一緒に確認します。
毎日「日付に◯を付ける」という作業を通して、「1日1日が過ぎていく感覚」「季節の変化」などを学べていたらいいなと思いながら続けています。
【遠出】写真入り予定表で不安解消
旅行など、遠出や大きなイベントの前は、上記の習慣予定表に表示する以外に「番外編」として、特別な予定表を作っています。
この予定表は息子が字を読めるようになってから作ったもので、まだ字が読めない頃は写真のみを使っていました。
おすすめのコツとしては、旅行・イベントの流れを具体的に細かく提示すること。移動手段、食べるもの、見るもの、出会う人などの実際の写真をネット検索などで見つけて並べます。
このような予定表を旅行前日に息子に渡すと、息子は興味津々で何度も眺め、あっという間に暗記し、旅行中にも何度も復唱しています笑。非日常の場所に連れて行かれ、何もかも新しい環境の中、不安解消に繋がり、またワクワクを感じるきっかけにもなっているようです。
もちろん旅行中には様々なハプニングから、予定表に書いた通りに進まないことも多々。そんな時は息子を驚かせることになってしまい、「これ違う!」と反抗する場合もあります。でもしょうがないので、そこはどうにかなだめて勢いで実行・・・全体的なメリットを考えると、無いよりあったほうが断然といいかなと思っています。
【テレビ視聴】座る・立つ位置に物を置く
息子はテレビを見る時、興奮して画面に近づきがち。それは目に悪いので「もっと離れなさい!」と注意したいのですが、息子はそのような抽象的な指示に反応しにくい傾向があります。
【対処法】
四角形のタオルを床に敷き、視覚的に理解できるようにして「この緑のタオルの上に立ってね」と伝えます。または縄跳びで床に線を引き、「つま先でこの紫の縄跳びを触っていてね」と教えます。
▼こちらもおすすめ
自閉症児に指示を伝えるおすすめ方法
【着替え】服を見える場所に保管
着替えの自立を支援するため、服は寝室のタンスに収納するのではなく、息子が必要になった時にその場ですぐ手が届く場所に置いています。
【例1】靴下→小さなトレー状の箱に並べ、玄関にある台の下の隙間に置いておく。息子が玄関先で靴下を履く時には、その箱を引き出しのように台の下からすっと引っ張り出します。
【例2】ズボン→朝、用を足した後にパジャマのズボンを脱ぐので、着替えのズボンをクリアケースに入れ、トイレの外の廊下に置いています。クリアケースの蓋は簡単に開けられるように、バチンと閉めずに少し浮かせておくのがおすすめです。
いずれも、息子の視野に入りやすいように、棚の上ではなく床に置いています。また、上着は低い位置に設置したフックにかけています。
【新しいスキル】ポスターで教える
何か新しいことを覚えて欲しい時は、視覚的に理解できるようにポスターを作って1日に何度も自然に目に入る壁に貼っています。
【例1】「あいうえお表」→トイレの向かいの壁
【例2】水泳キャップをかぶっている息子の写真(キャップをかぶることに慣れてもらうため)→玄関の壁
【例3】旅行で撮った写真(過去についての会話のきっかけにするため)→廊下の曲がり角の壁
【例4】写真入りスケジュール表→食卓の壁
いずれもちょうど息子の視野に重要な情報が入るように、ポスターの位置を彼の背の高さに合わせて調整しています。
他、息子の成長に役立ったポスターは、自閉症児の手作り視覚支援ポスター【一挙公開】をご覧ください。
モンキーのメモ
✏️指示を出す時は、物やイラストを使って教える。
✏️お子さんの視野に重要な情報が入るような高さに物やイラストを設置する。